不倫慰謝料を払えないと言われたら?分割払い・未払い・差し押さえの対処法
不倫相手や配偶者へ慰謝料を請求したところ、「そんな金額は払えない」「お金がないから無理」と言われることがあります。
すでに金額まで話し合っていた場合、「約束したのに払ってもらえない」と困ることもあるでしょう。
ただし、「払えないと言われたら、すぐ裁判や差し押さえ」というわけではありません。
まず確認したいのは、現在どの段階にいるかです。
- まだ慰謝料を請求しただけなのか
- 金額と支払方法について合意しているのか
- 示談書を作成しているのか
- 公正証書を作成しているのか
- 裁判や調停ですでに支払額が決まっているのか
この違いによって、取れる対応は大きく変わります。
この記事では、不倫慰謝料を「払えない」と言われたときに確認したいことから、分割払い、公正証書、支払督促、民事調停、訴訟、強制執行まで順番に整理します。
まだ不倫の事実そのものが十分に確認できていない場合の証拠の考え方や、探偵へ相談する目安についても解説します。
※この記事は一般的な情報を提供するもので、個別の慰謝料請求や強制執行の可否を判断するものではありません。実際に請求・回収手続きを行う場合は、弁護士などの専門家へ確認してください。
- 結論|「払えない」と言われても、すぐ差し押さえできるわけではない
- まず「払えない」の前に、慰謝料請求の内容を確認する
- 不倫慰謝料を一括で払えないと言われたら、分割払いも選択肢になる
- 分割払いで合意するなら書面を残す
- 公正証書を作れば必ず自動的に差し押さえられるわけではない
- 金額について合意できない場合はどうする?
- 話し合いで解決できない場合に考えられる手続き
- 慰謝料が決まっているのに支払われない場合は差し押さえを検討する
- 給与はどこまで差し押さえられる?
- 相手の財産が分からない場合はどうする?
- 相手に本当に財産がなければ、すぐ全額を回収できない場合もある
- 「払えない」と言われる前に、慰謝料の合意内容を残しておく
- そもそも慰謝料を請求できない・減額される可能性があるケース
- 慰謝料請求に使う証拠は何を確認すればいい?
- 証拠を集めるためでも避けたいこと
- 探偵が必要なのは「慰謝料を回収するとき」ではなく、事実確認が必要なとき
- 【独自調査】探偵30社でも料金体系は統一されていなかった
- すでに慰謝料が決まっているなら、探偵ではなく弁護士へ相談する
- 不倫慰謝料の未払いについてよくある質問
- まとめ
- 参考情報
結論|「払えない」と言われても、すぐ差し押さえできるわけではない
不倫慰謝料を「払えない」と言われたときは、次のように状況を分けて考えます。
| 現在の状況 | 主に確認したいこと |
|---|---|
| 慰謝料を請求しただけ | 本当に支払義務があるか、請求額について合意できるか |
| 金額について話し合っている | 一括・分割・支払期限などをどう決めるか |
| 示談が成立している | 合意内容をどのような書面で残しているか |
| 公正証書がある | 強制執行認諾文言などの内容を確認する |
| 判決・和解・調停などで決まっている | 支払いが滞っているなら強制執行を検討する |
| 相手の財産が分からない | 利用できる財産開示・情報取得手続きを確認する |
特に注意したいのが、単に「慰謝料として300万円払ってほしい」と請求しただけでは、その金額の支払い義務が確定しているわけではないことです。
相手が不貞行為自体を否定している場合や、慰謝料額について争っている場合は、まず慰謝料請求が認められるか、いくらが妥当なのかという問題を整理する必要があります。
慰謝料請求の条件そのものを確認したい場合は、不倫をされた場合の慰謝料請求について確認するも参考にしてください。
一方、判決や裁判上の和解、調停、公正証書などによって支払いの内容が確定しているのに支払われない場合は、強制執行を検討する段階に進みます。
まず「払えない」の前に、慰謝料請求の内容を確認する
相手から「お金がないから払えない」と言われると、資力だけに目が向きやすくなります。
しかし、その前に確認したいのは、「誰に、何を理由として、いくら請求しているのか」です。
不倫慰謝料については、配偶者本人へ請求する場合と、不倫相手へ請求する場合でも検討する内容が異なります。
特に不倫相手への請求では、
- 肉体関係など不貞行為があったか
- 相手が既婚者だと知っていたか、注意すれば知ることができた事情があったか
- 不倫関係が始まった時点で夫婦関係がすでに破綻していなかったか
- どのような証拠があるか
などが問題になることがあります。
「払えないと言われたから差し押さえる」のではなく、まず現在の資料で請求の根拠を説明できるかを確認してください。
すでに慰謝料請求を具体的に進めようとしているなら、相手へ追加の連絡をする前に弁護士へ相談すると整理しやすくなります。
不倫慰謝料を一括で払えないと言われたら、分割払いも選択肢になる
相手に慰謝料を支払う意思はあるものの、一括では用意できないケースがあります。
その場合は、当事者間で合意できれば分割払いにすることもできます。
請求する側が、分割払いに必ず応じなければならないわけではありません。
一方で、相手に一括で支払える財産がほとんどない場合には、現実的な回収方法として分割を検討するケースもあります。
分割払いにする場合は、口頭で「毎月少しずつ払って」と決めるだけではなく、少なくとも次の内容を明確にしておきます。
- 慰謝料の総額
- 初回支払額
- 毎月の支払額
- 毎月の支払日
- 振込先
- 振込手数料の負担
- 支払いが遅れた場合の扱い
- 複数回滞納した場合に残額をどう扱うか
- 住所や連絡先が変わった場合の連絡方法
分割期間が長くなるほど、途中で転職、退職、収入減少、連絡先変更などが起きる可能性もあります。
支払方法を決める段階で、「もし支払いが止まったらどうするか」まで確認しておくことが大切です。
分割払いで合意するなら書面を残す
慰謝料について合意できた場合は、金額と支払条件を書面に残します。
当事者間で作成した示談書にも、合意した内容を後から確認できるという意味があります。
ただし、ここで重要なのは、
「示談書があること」
と
「その書面だけですぐに給与や預金を差し押さえられること」
は同じではないという点です。
強制執行を行うには、原則として強制執行の根拠となる「債務名義」が必要です。
裁判所の債権執行(債務名義に基づく差押え)でも、判決や和解調書どおりに金銭が支払われない場合などに、給与や預金を差し押さえる手続きが案内されています。
そのため、分割払いの期間が長い場合や、滞納への不安が強い場合は、弁護士や公証役場へ相談し、公正証書にする必要があるかも確認しておきましょう。
公正証書を作れば必ず自動的に差し押さえられるわけではない
慰謝料の分割払いでは、公正証書が利用されることがあります。
日本公証人連合会では、お金の支払いを内容とする公正証書に強制執行認諾文言があり、必要な条件を満たす場合には、強制執行の根拠になり得ることを案内しています。
ただし、
「公正証書を作成したら、滞納と同時に自動で口座からお金が回収される」
という意味ではありません。
実際に支払いが滞った場合は、必要な書類を準備し、裁判所へ強制執行を申し立てます。
公正証書を作成するときも、単に「慰謝料○万円」とだけ書くのではなく、支払い内容や強制執行に関する文言をどのように定めるかを確認してください。
金額について合意できない場合はどうする?
「慰謝料を払えない」という言葉の中には、
「その金額では払えない」
という意味が含まれていることがあります。
たとえば、
請求側「300万円支払ってほしい」
相手側「100万円なら払う」
という状態であれば、そもそも慰謝料額について合意できていません。
この場合は、いきなり差し押さえる段階ではありません。
話し合いで解決できなければ、弁護士へ交渉を依頼したり、裁判所の手続きを利用したりする方法があります。
話し合いで解決できない場合に考えられる手続き
民事調停
民事調停は、裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、裁判所の調停委員会を介して話し合いによる解決を目指す手続きです。
慰謝料額や支払方法について当事者だけでは話がまとまらない場合に、利用を検討できます。
調停が成立すると、その内容は調停調書に記載されます。
調停調書は、その後の強制執行の根拠となる場合があります。
支払督促
金銭の支払いを求める手続きとして、支払督促があります。
支払督促は、債権者の申立てに基づいて裁判所書記官が書類を審査する手続きです。
相手が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てず、その後、仮執行宣言が付されるなど所定の手続きを経ると、強制執行を申し立てられる場合があります。
一方、相手から適法に異議が申し立てられると、通常の訴訟手続きへ移行します。
「支払督促なら相手の言い分を聞かずに必ず回収できる」という制度ではありません。
民事訴訟
慰謝料を支払う義務そのものや金額について大きく争っている場合には、訴訟によって判断を求める方法があります。
ただし、裁判をすれば必ず請求額どおり認められるわけではありません。
証拠、不貞行為の内容、夫婦関係、請求相手の認識など、個別の事情から判断されます。
また、判決で支払いが命じられたとしても、相手が任意に支払わなければ、その後に強制執行が必要になることがあります。
慰謝料が決まっているのに支払われない場合は差し押さえを検討する
判決、和解調書、民事調停調書、仮執行宣言付支払督促、一定の公正証書など、強制執行の根拠となる文書があり、それでも支払いが行われない場合には、強制執行を検討します。
裁判所では、判決や和解調書どおりにお金が支払われない場合などに、
- 給与
- 銀行預金
などを差し押さえる債権執行の手続きを案内しています。
ただし、慰謝料の支払期限が過ぎたというだけで、相手の銀行口座や勤務先から勝手にお金を回収することはできません。
裁判所へ申立てを行い、必要な手続きを進める必要があります。
強制執行を具体的に考えている場合は、手元にある判決書、調停調書、公正証書、示談書などを弁護士へ見せて、現在どの手続きを利用できるか確認してください。
給与はどこまで差し押さえられる?
一般的な金銭債権について給与を差し押さえる場合、給与全額を差し押さえられるわけではありません。
裁判所の案内では、原則として給与の4分の1が差押えの対象になります。
月給が44万円を超える場合には、33万円を除いた部分が対象になる扱いがあります。
詳しい計算方法や相手の給与状況によって扱いが変わるため、実際に申し立てる場合は裁判所または弁護士へ確認してください。
相手の財産が分からない場合はどうする?
「差し押さえたいけれど、相手がどこの銀行を使っているか分からない」
「仕事を辞めたらしく、財産がどこにあるか分からない」
というケースもあります。
裁判所には、一定の条件のもとで財産に関する情報を確認するための制度があります。
財産開示手続
財産開示手続は、債務者の財産がどこにあるか分からない場合などに、債務者に裁判所へ出頭してもらい、財産の状況について陳述を求める手続きです。
利用するには、債務名義など一定の要件があります。
財産開示を申し立てれば、無条件ですべての財産が自動的に回収されるわけではありません。
得られた情報をもとに、別途差し押さえなどを検討します。
第三者からの情報取得手続
一定の条件を満たす場合、金融機関などの第三者から、債務者の財産に関する情報の提供を受ける制度もあります。
確認対象には、
- 預貯金
- 不動産
- 一定の株式など
- 一定の場合の勤務先情報
があります。
ただし、情報取得手続は財産を調査するための制度です。
情報が分かっただけで慰謝料が回収されるわけではなく、回収するには別途、債権差押えなどの手続きを行います。
不倫慰謝料では勤務先情報を取得できない場合がある
特に注意したいのが勤務先情報です。
第三者からの情報取得制度で勤務先情報を取得できる請求権には制限があります。
裁判所では、勤務先情報について、
- 養育費や婚姻費用などの扶養義務に関する請求権
- 生命または身体の侵害による損害賠償請求権
などを対象として案内しています。
そのため、一般的な不貞慰謝料について、
「相手の勤務先が分からないから、裁判所に申請すれば必ず教えてもらえる」
とは限りません。
勤務先が分からない場合に利用できる方法は、弁護士へ確認してください。
相手に本当に財産がなければ、すぐ全額を回収できない場合もある
裁判で勝ったり、強制執行できる文書を持っていたりしても、それだけで相手にお金が生まれるわけではありません。
相手に預金や給与など差し押さえられる財産がほとんどなければ、現時点では十分に回収できない可能性があります。
そのため、
「裁判で勝てば必ず全額回収できる」
「差し押さえれば必ず慰謝料を取れる」
とは考えない方がよいでしょう。
請求額、相手の資力、回収にかかる時間や費用なども含めて判断する必要があります。
分割払いを受け入れるかどうかについても、「相手が払えないと言っているから仕方なく」ではなく、実際の回収可能性を考えたうえで判断します。
「払えない」と言われる前に、慰謝料の合意内容を残しておく
まだ慰謝料額を決める前なら、後の未払いも想定して条件を整理しておくことができます。
たとえば、
- 慰謝料総額
- 支払いを一括にするか分割にするか
- 支払期限
- 分割回数
- 振込先
- 遅れた場合の扱い
- 連絡先変更時の対応
- 公正証書を作成するか
などです。
インターネット上の示談書テンプレートをそのまま使用するのではなく、自分のケースで必要な条件を確認してください。
特に金額が大きい場合や、長期の分割払いにする場合、相手との関係を完全に断ちたい場合などは、合意する前に弁護士へ確認する方が安全です。
そもそも慰謝料を請求できない・減額される可能性があるケース
「不倫された」と感じていても、必ず請求した金額の慰謝料が認められるわけではありません。
たとえば不倫相手へ請求する場合は、
- 不貞行為が確認できない
- 相手が既婚者だと知らず、知ることも難しかった事情がある
- 関係開始前から婚姻関係がすでに破綻していた
- 請求の根拠となる資料が不足している
といった事情が問題になることがあります。
また、不法行為に基づく損害賠償請求には期間制限があります。
民法第724条(e-Gov法令検索)では、不法行為による損害賠償請求権について、原則として、
- 損害および加害者を知った時から3年間
- 不法行為の時から20年間
という期間を定めています。
ただし、具体的な起算点は請求相手や事案によって問題になることがあります。
発覚から時間が経っている場合は、自己判断で期限を計算せず弁護士へ確認してください。
慰謝料請求に使う証拠は何を確認すればいい?
まだ慰謝料について合意しておらず、不倫自体を相手が否定している場合は、回収方法を考える前に証拠の整理が必要になることがあります。
証拠として検討される資料には、
- ホテルや相手宅への出入りが分かる写真・動画
- 性的関係をうかがわせるメッセージ
- 本人が具体的な関係を認めた録音や書面
- 宿泊施設の利用記録
- 日時や場所、行動が記録された調査報告書
などがあります。
一方、
- 二人で食事をした写真
- 「好き」「会いたい」といったメッセージ
- レストランのレシート
だけでは、実際に何があったかまで分からないこともあります。
資料一つだけで結論を出すのではなく、日時や前後の行動を含めて整理してください。
→ 浮気・不倫の証拠になるものは?強さの目安と集める前の注意点
証拠を集めるためでも避けたいこと
証拠が足りないと感じても、
- 本人だけが利用するアカウントへ無断でログインする
- 追跡アプリを無断でインストールする
- 自分で危険な尾行を続ける
- 不倫相手の勤務先へ押しかける
- SNSで相手の氏名や写真を公開する
といった行為は避けてください。
必要な証拠を増やそうとして、別のトラブルを起こしてしまえば、その後の話し合いにも影響します。
自分で確認できる範囲については、こちらで詳しく整理しています。
→ 浮気調査は自分でどこまでできる?安全に確認できること・避けたい行為と探偵に相談する目安
探偵が必要なのは「慰謝料を回収するとき」ではなく、事実確認が必要なとき
慰謝料を「払えない」と言われた後の回収方法を相談する相手は、基本的には弁護士です。
探偵には、判決を取ったり、慰謝料を取り立てたり、預金を差し押さえたりする権限はありません。
そのため、
「慰謝料の支払いが止まった」
という問題だけで探偵へ依頼する必要はありません。
探偵への相談が選択肢になるのは、
- 配偶者や相手が不倫そのものを否定している
- 会う曜日や場所は分かるが、実際の行動を確認できない
- 自分で尾行しなければ確認できない状態になっている
- 客観的な行動記録が必要か弁護士から確認するよう言われた
といった場面です。
「何のために調査するのか」が決まってから相談してください。
→ 探偵と弁護士はどちらに相談する?浮気調査・証拠・慰謝料請求の違い
【独自調査】探偵30社でも料金体系は統一されていなかった
追加の行動証拠が必要になり、探偵への依頼を検討する場合は、料金についても契約前に確認します。
探偵ナビゲーター編集部が2026年9月24日時点で、浮気・不倫調査を扱う探偵社30社の公式サイトを調査したところ、次の結果となりました。
| 確認項目 | 30社中 |
|---|---|
| 時間単価の具体額を確認できた | 15社 |
| 成功報酬・「証拠が取れなければ0円」等のプランを確認できた | 11社 |
| 「追加料金なし」「見積もり以上なし」等を明記していた | 11社 |
※公式サイトで明確に確認できた場合のみ集計しています。「要見積もり」「条件による」といった表記は確認できた項目として数えていません。
各社で、
- 時間料金
- パック料金
- 基本料金
- 成功報酬
- 1日単位
- 個別見積もり
など料金の示し方も異なります。
「慰謝料が取れれば調査費用を払える」と考えて高額な調査を契約するのではなく、希望する結果が得られなかった場合でも負担できる金額かを確認してください。
→ 浮気調査の費用はいくら?探偵30社を独自調査|料金相場と見積もりの見方
→ 後悔しない探偵社の選び方|30社を独自調査・料金や契約で確認したい8項目
まだ不倫の事実を十分に確認できていない方へ
相手が不倫自体を否定しており、「今ある情報で調査が必要なのか」「どの程度の費用になるのか」が分からない場合は、いきなり調査を契約せず、現在の状況を伝えて相談先を確認する方法があります。
街角相談所 -探偵- では、地域、予算、現在分かっている情報などから、条件に合う探偵社の紹介を受けられます。
※相談・紹介は無料です。紹介された探偵社・興信所へ実際に調査を依頼する場合は、別途調査費用が発生します。
すでに慰謝料が決まっているなら、探偵ではなく弁護士へ相談する
次のような状態なら、探偵より弁護士への相談が優先です。
- 示談書どおりに支払われない
- 公正証書があるのに滞納された
- 判決や調停で金額が決まっている
- 相手から分割払いを求められている
- 相手の財産が分からない
- 差し押さえを検討している
- 支払督促や民事調停を利用したい
- 相手側の弁護士から書面が届いた
手元にある書類をまとめて相談すると、現在の段階から利用できる手続きを確認しやすくなります。
まだ「探偵と弁護士のどちらへ相談する段階か分からない」という場合は、探偵と弁護士の役割の違いから確認してください。
不倫慰謝料の未払いについてよくある質問
「お金がない」と言われたら、慰謝料を諦めなければいけませんか?
相手が「お金がない」と言っただけで、慰謝料の支払義務が自動的になくなるわけではありません。
一方、実際に相手へ差し押さえられる財産がほとんどなければ、すぐに全額を回収できないことはあります。
まず支払義務や金額が確定しているかを確認したうえで、分割払い、裁判上の手続き、強制執行などを検討します。
分割払いを求められたら応じなければいけませんか?
必ず応じなければならないわけではありません。
相手の収入や財産、回収可能性、分割期間などを踏まえて判断します。
分割を受け入れる場合は、総額、毎月の支払額、期限、滞納した場合の扱いなどを書面に残してください。
示談書があれば給与を差し押さえられますか?
当事者間で作成した通常の示談書があるだけで、直ちに給与や預金を差し押さえられるとは限りません。
強制執行には債務名義が必要です。
現在持っている示談書でどの手続きを進められるかは、弁護士へ確認してください。
強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、自動で差し押さえられますか?
自動的に差し押さえられるわけではありません。
支払いが滞った場合は、必要な書類を準備して裁判所へ強制執行を申し立てます。
公正証書による強制執行については、日本公証人連合会の案内も確認してください。
相手の勤務先が分からなくても給与を差し押さえられますか?
給与を差し押さえるには、差し押さえる給与債権を特定する必要があります。
裁判所には財産開示や第三者からの情報取得制度がありますが、勤務先情報を取得できる請求権には制限があります。
一般的な不貞慰謝料の場合に利用できる方法は個別事情によって異なるため、勤務先を自分で無理に調べる前に弁護士へ相談してください。
不倫慰謝料に時効はありますか?
不法行為に基づく損害賠償請求について、民法第724条では原則として、
- 損害および加害者を知った時から3年間
- 不法行為の時から20年間
という期間が定められています。
ただし、具体的な起算点や請求相手によって判断が問題になることがあります。
発覚から時間が経っている場合は、自己判断で期限を計算せず弁護士へ確認してください。
まとめ
不倫相手や配偶者から「慰謝料を払えない」と言われても、それだけで慰謝料請求を諦める必要があるとは限りません。
一方、請求しただけの段階で、すぐ給与や銀行口座を差し押さえることもできません。
まず、
- 慰謝料を請求しただけなのか
- 金額と支払方法について合意しているのか
- 示談書や公正証書があるのか
- 判決や調停などですでに支払いが決まっているのか
を確認します。
一括での支払いが難しい場合は、分割払いで合意する方法もあります。
話し合いで解決できない場合は、民事調停、支払督促、訴訟などを検討し、判決などの債務名義があるにもかかわらず支払いが行われない場合には、強制執行が選択肢になります。
ただし、強制執行できる状態でも、相手に回収できる財産がなければすぐに全額を受け取れないこともあります。
すでに慰謝料請求・回収の段階へ進んでいるなら弁護士へ相談し、まだ不倫の事実そのものを確認する必要がある場合に限って、探偵への相談を検討してください。
参考情報
- 裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」
- 裁判所「民事調停」
- 裁判所「支払督促」
- 裁判所「財産開示」
- 裁判所「第三者からの情報取得手続」
- 日本公証人連合会「執行文について」
- e-Gov法令検索「民法」

