探偵とはどんな職業?仕事の内容や必要な資格、調査料金など徹底紹介
探偵と聞くと、小説やドラマ、映画などの探偵を思い浮かべる方がほとんどなのではないでしょうか。
ドラマや小説などで難事件を次々に解決するイメージが強い探偵ですが、現実にも探偵という職業は存在します。
実際にネットで調べてみると、たくさんの探偵事務所が検索結果に出てきます。また、動画サイトの広告などをみたことがある方もいるかもしれません。
しかし、探偵が普段どんなことをしているのか、どんな仕事をしているのかは知らない方が多いのではないでしょうか。
この記事では、探偵という職業の仕事内容や調査料金など詳しくご紹介していきます。
探偵ってどんな職業?
一般的な印象として、探偵は難事件を解決したり、犯人を追い詰めたりというものがあると思います。
しかし、現実では難事件を捜査し解決するのは刑事であり、証拠から犯人を追い詰めるのは検察官が行なっています。
では、探偵という職業は具体的にどのような仕事なのでしょうか。詳しく紹介していきます。
探偵とはどういう人のこと?
探偵とは、「他人の動静や秘密をひそかに調べること。また、犯罪者の探索にあたることや、それを業とする人。」を指します。
しかし、日本の探偵はこのような探偵とは異なります。日本には探偵業法という法律があるので、そこでのたんtねいの定義を紹介します。
第2条第1項 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
第2条第2項 この法律において「探偵業」とは、探偵業務を行う営業をいう。
平成十八年法律第六十号 探偵業の業務の適正化に関する法律
日本の探偵が行う業務は民事事件の案件に限られています。ドラマや映画のように警察の捜査に協力したり、推理することはありません。
探偵に必要な資格
イメージ的に難しいと思われがちな探偵ですが、実は、探偵業をする上で必要な資格はありません。そのため、探偵になるための国家試験等を受ける必要もありません。
しかし探偵は職業柄、依頼主や案件の関係者などのプライベートな部分に深く関わることもあります。
浮気や不倫の調査、相続人の調査がそれにあたります。浮気調査の場合、家庭内の個々人の関係性、相続人の調査であれば、相続元の隠し子問題などに触れる可能性があります。
探偵は、人間の知られたくない事実や隠したいことなどに触れる機会が多く、隠したいことの調査のために依頼されます。
探偵の開業方法
人間の知られたくない事実や隠したいことなどの繊細な問題に関わることの多い、探偵という職業が無資格で営業し放題となれば、中には個人情報を漏らしたり、依頼者や関係者を恐喝する悪徳業者も出てくる可能性があります。
そのため、2007年には上記の探偵業法が施行され、探偵業は届出制となりました。
探偵業法では、探偵業者として活動するには各都道府県の公安委員会に届出を行わなければならず、さらに欠格事由や法令遵守、守秘義務の明確化を定めています。
加えて、契約の適正化や重要事項の説明責任、教育や監督の規定を設けるとともに、違反に対する罰則も明確化しています。
法に則って探偵事務所を開業するには、こうした届出手続きが必要です。
なお、正規に届出が行われている場合、探偵業届出証明書が交付され、その中には届出番号が記載されています。
探偵事務所を選ぶ際には、公安委員会の届出番号を確認し、事業が適切に届出されているかを各都道府県の警察に問い合わせることも大切です。
事務所を選ぶには?
探偵業自体には資格が不要であり、個人事務所や小規模事務所が全国的に存在しています。
しかし、信頼性のある調査を求める場合には、調査員の数や機材の質、専門的な訓練などが最低限必要です。
中堅から大手の事務所を選択することで、このような水準をクリアした探偵事務所を選ぶことができます。
具体的な選択方法についてのポイントは後述します。
探偵の業務内容
探偵は「調査業務」と呼ばれるものであれば、広く取り扱っています。
一部の業者は浮気調査や人探しといった特定のサービスに特化していますが、調査の手法や使用する機材には共通する要素があります。
そのため、多くの探偵事務所では取り扱いがあると明記されていない調査についても相談を受け付けています。
それでは、具体的にどのような調査が可能なのか、探偵の業務内容も含めて紹介していきます。
浮気・不倫調査
浮気や不倫の調査が探偵業務で一番依頼の多い業務です。
初見では地味に映るかもしれませんが、恋愛や交際は人間の感情に関わる重要な要素です。
夫や妻が浮気している可能性があるという疑念や不安は、一度生じるとなかなか無くすことができません。
探偵が依頼を受けると、まず情報を収集します。外見や身なり、勤務先や頻繁に訪れる店、所有する車両や使う交通手段、趣味や友人関係など、調査対象者に関する情報をできる限り収集します。
その後、浮気相手が特定されている場合は浮気相手を、特定されていない場合は勤務先やよく行く店、友人や知人などを調査します。
調査方法には尾行、張り込み、聞き込み、潜入などがあります。時には依頼者の協力を得てGPSや盗聴器の設置をサポートすることもあります。
証拠として写真や動画を撮影し、日付入りの調査報告書と共に依頼者に提供し、調査を完了させます。
浮気や不倫が行われていなかった場合でも、契約内容やプランによって料金が変わることがあります。
また、調査の結果によっては依頼者に対するアドバイスやサポートも提供されることがあります。
人探し(所在調査)
所在調査とは対象の人が今どこで何をしているのかを探すことです。代表的なものとしては、相続人の所在調査で
遺産は相続人が全員揃っている状態でないと分割できません。遺産を正しく分割するために、所在調査を依頼します。
また、小学校や中学校の時の友人や家出した子供や家族などの調査も所在調査の範囲となります。
この調査では、家族の許可を得て、住民登録簿や戸籍附票を閲覧したり、学校の教師や地域の住民にインタビューを行ったり、SNSなどをキーワードで検索するなどの手法を用います。
対象者が遠方にいる場合、個人事務所や小規模な事務所では調査員が移動に時間と交通費を費やす必要があります。
しかし、全国規模で展開している事務所では、対象者の居住地に近い支店と連携して効率的に調査を進めることができます。
婚前調査
恋人と結婚を考えたときに、相手がちゃんと信頼できる人かどうか、出会う前にやってきたことが全部本当かなどを調べることがあります。
特に婚活などで知り合ったとき、相手が両親に紹介してくれない、収入や貯金がいくらなのかわからないという問題がよくあります。
結婚は人生を大きく左右する大事な決断なので、慎重に考えることが大事です。
結婚前の調査では、相手の家族や仕事先だけでなく、昔からの友達や知り合いにも話を聞いて、相手の評判を確認します。
また、相手が浮気しないかどうかや、お金の使い方が荒くないか、健康面に問題がないかなども調べます。
結婚に障害がないか確認するために、少し手間はかかりますが、浮気や離婚の心配を減らすことができる場合もあるので、しっかりと調べることは損ではありません。
企業調査
企業同士や企業と個人の契約で、企業調査はとても重要です。
企業調査では新しく入った社員の履歴をチェックするだけでなく、営業の状況やお金の管理がちゃんとしているか、会社の秘密を守れているか、取引先の信用があるかなどを調べます。
取引先などを調べる時、探偵は公開されているデータや登記簿、資産状況などをチェックします。それに加えて、所有しているものの価値や会社内の問題、他の企業との取引状況など、細かい情報を調べます。
たとえば、担保として置かれている土地が本当にその価値に見合っているか、社内の人間関係がどうかなどを、地道に調べます。お店がある場合は、そのお店に行って実際に調査することもあります。
調査には労力がかかりますが、その情報が判断に影響することは珍しくありません。 自分の会社の従業員や採用する予定の人を調べる時も、身元調査と同じように調査します。
中途採用の場合は、その人の経歴が本当かどうか、新卒の場合はお金の問題がないかどうかなど、聞き取りや尾行などの方法で調べます。
犯罪調査
犯罪調査は、普通の探偵業務とは少し異なります。普通は警察が犯罪を捜査しますが、ストーカーや嫌がらせの問題では、警察に相談してもすぐに助けてもらえないことがあります。
そのため、事前に犯人や証拠を集めておくことで、警察も早く対処してくれる可能性が高まります。
主な調査方法は、依頼者の家の周りで見張ったり、疑わしい人を尾行したり、監視カメラで映像を撮ったりすることです。
また、家に盗聴器が仕掛けられていないかチェックし、見つかったら取り外すこともできます。今の社会ではストーカー被害が多く、調査を適切に行わないと、被害がさらにひどくなることもあるので、慎重に行う必要があります。
詐欺の調査では、相手の素性やお金の状況、本当に詐欺かどうかを調べます。
たとえば、結婚詐欺の場合、相手が他にも付き合っている人がいたり、職業がウソだったりすると、詐欺の可能性が高まります。
ただし、探偵は調査して報告するだけで、お金を取り返すことはできません。お金の問題は、裁判所で弁護士が扱うことになります。
その他の調査
探偵の仕事には、ペットを捜したり、前にうまくいかなかった調査を手伝ったりすることもあります。
ペットを捜すときは、まず情報を集めて、市役所に聞いたり、チラシを配ったり、見かけた人の話を確認したりします。飼い主の声を録音してペットを呼んだりもします。
また、以前の調査が失敗したら、新しく調査を引き受けることもあります。
たとえば、浮気の調査では、相手が用心深い場合もありますが、経験豊富な調査員がいる探偵事務所に頼むと、必要な証拠を集めることができます。
探偵の調査料金相場
探偵に調査を依頼する場合、調査料金は気になると思います。どんな調査を依頼するかによって、料金は異なります。
ここからは調査毎の料金について詳しくご紹介します。
調査料金はどうやって決まる?
探偵に依頼する際の調査料金は、調査にかかる費用と事務所ごとに決めている料金で変わります。
調査費用は、依頼された調査を進めていく際にかかる費用のことです。人件費や経費、成功報酬等に分けられます。
人件費は動員した調査員の人数や稼働時間等で決まります。経費は探偵事務所の車やカメラなどの機材を利用した際の費用、報告書の作成代などの技術費です。
実費はガソリン代や書類代、泊りがけの調査での宿泊費など、実際に出費した金額となります。
一方で、事務所毎に決めている料金には、時間料金制、パック制、成功報酬制の3つの料金形態があり、事務所により異なります。
時間料金制
時間料金制は、依頼の着手金や調査員の動員数と調査時間で料金を出します。料金が明確で安心できるメリットがあります。
しかし、浮気調査や所在調査など時間がかかるような調査では思っていたよりも料金が高くなってしまう可能性があります。
パック制
パック制は、一定期間の間の調査料金を事前に支払う方法です。同じ期間の料金を時間料金制で支払うよりも安くなることが多いです。
しかし、依頼内容が見積もりよりも短期間で終了した場合でも、パックの内要の金額を支払う必要があります。
成功報酬制
成功報酬制とは、依頼した調査が成功した時のみ、探偵に報酬を支払う方法です。
しかし、調査が失敗した時も料金が無料になるわけではありません。一定の着手金は必ずかかります。
成功報酬制は、調査が失敗した際の金銭面のリスクは抑えることができますが、調査の成功基準を明確にしていない場合、不明瞭な請求になる可能性があります。
一般的には以上の3つの料金形態があります。どの支払い方法を選ぶかは、調査の内容や依頼した状況によっても異なり、探偵との相談で細かく決めていきます。
調査ごとの料金相場
ここまででどのような料金形態があるのか、わかっていただけたかと思います。
ここからは、調査ごとの料金相場をご紹介していきます。
浮気・不倫の調査
浮気や不倫の調査は基本的に複数の調査員で行います。これは、浮気や不倫をしているターゲットを見失わないようにするためです。
例として、調査員が3〜4人、調査期間を一週間とすると、料金はおおよそ50~60万円程となります。
人探し(所在調査)
所在調査では、連絡が取れなくなってから時間が経ってしまっている場合や調査対象の人物がどこかに身を隠している場合もあり、調査期間は長くなる傾向にあります。
どこにいるかわからないため、移動距離も長距離になる可能性もあります、移動が増えると交通費もその分かかることになります。
例えば2週間〜1ヶ月の調査を依頼した場合、50~100万円の依頼料となります。
婚前調査
婚前調査は調査対象が決まっている点で浮気・不倫の調査や所在調査と異なります。
調査内容に関しても明確で、異性関係や経済状況、健康状態、宗教関係、前科前歴、交友関係、学校・勤務先での評判などになります。
浮気調査よりは調査の範囲が広いですが、調査難易度は高くないと言われています。
そのため料金も10万円~35万円程度です。結婚相手本人だけでなく、家族や親類など範囲が広がると、料金が高くなる傾向にあります。
企業調査
企業調査は、調査対象を企業にするかスタッフや従業員を対象にするかで料金は変化します。
また、調査する企業の大きさや規模によっても金額は変化します。もちろん、大きな規模の企業を調査する場合、金額は高くなります。
企業によっては数十万円〜数百万円必要になることもあります。
従業員や採用予定者の調査であれば、10万円ほどで依頼することができます。
犯罪調査
犯罪調査は、ストーカーや嫌がらせに対する調査で刑事事件を対象にしているので、探偵は積極的に動きません。
ストーカーや嫌がらせを本当にされているのか、という調査なので依頼をしても何もなかったという場合もあります。
また、ストーカーも嫌がらせも依頼者の身の回りで起きている可能性が高いので、交通費等もそこまで高くなりません。
そのため、1日あたりおよそ10万円ほどで依頼できます。
一方で、詐欺の調査に関しては所在調査の依頼に近い依頼となります。そのため、ストーカー等の調査よりは高く、30万円ほどかかります。
その他の依頼
ペットを見つけるための調査では、対象が人でなくても、費用は大幅に安くなることはありません。
捜索には人力だけでなく、捜索犬なども使われます。1日あたりの費用は2万円から5万円で、その他にポスター代などの実費(約2万円)、宿泊費がかかります。
1週間の調査で15万円から20万円ほどになります。
失敗した調査のフォローでは、調査の難易度によって追加料金がかかる場合があります。
浮気調査や企業の覆面調査などは特に難しいため、追加費用が数万円から十数万円かかることがあります。
しかし、相続人調査などは失敗によって難易度が変わらないので、追加費用の心配は不要です。
信頼できる探偵はどう選べばいいの?
実際に探偵に依頼する際に不安なのは、信頼できる探偵事務所だと思います。
ここからは、信頼できる探偵事務所の選び方や注意点について紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
信頼できる探偵の選び方
判断の基準として、まずは探偵業法に定められている手続きを行なっているかどうかが重要です。都道府県に届け出を出していなければ、探偵業を行うことはできません。
また、探偵事務所の歴史や実績も重要です。個人レベルの事務所だと、依頼をしたのにもかかわらず突然連絡が取れなくなってしまうなどの危険性もあります。
探偵依頼料も高い金額なので、そういった事務所との契約は不安がつきまといます。
一方で、中堅探偵事務所や大手探偵事務所であれば、口コミ等ですぐに悪評が拡散されるためう長く運営できません。
そのため、長く探偵業を行なっている事務所や実績のある事務所は信頼できる事務所であると言えます。
相談した時や契約をする時の探偵の対応も確認が必要です。
特に、依頼者の意見や要望を受け入れてくれるか、調査内容を具体的に話してくれるか、どのような方法で調査をするのかなどについての確認が重要です。
もちろん、料金に関しても確認を怠っては行けません。
料金の内容だけでなく調査がうまくいかなかった時や調査のキャンセル料など、事務所側があまり言いたくない内容の質問をして、明確な答えが返ってきた場合、信頼できる事務所の可能性が高いです。
また、調査の報告を通して裁判等を考えている場合は、実際に裁判を行なった際の調査報告書サンプルなども見せてもらいましょう。
調査後のアフターサービスがあるかどうかも確認しておくと安心できます。
探偵事務所によっては調査後、報告書を提出して契約が完了するところや、依頼者のカウンセリング、裁判を考えている場合は弁護士への連絡までしてくれる探偵事務所もあります。
調査内容や質だけでなく、依頼をする際の目的によって自分に合う探偵事務所は異なってきます。
探偵事務所と調査契約を結ぶ際の注意点
探偵への依頼料は決して安いものではありません。簡単な依頼であれば、数万円の依頼料で済むこともありますが、依頼によっては数十万円から数百万円かかる場合もあります。
数十万円、数百万円の契約を結ぶ際は、契約内容や調査内容だけでなく、探偵事務所が契約内容や調査内容を細かく説明してくれるかも重要な点です。
依頼者が質問しないと答えてくれない場合や、聞かないと答えてくれない場合は、契約内容や調査内容について、聞かれていないからという逃げ方をされてしまうかもしれません。
探がは調査契約を結ぶ場合、探偵業法によって調査についての基本的な情報の書面による説明責任義務があります。
そのため、契約内容や調査内容について、書面で細かく説明してもらえないという場合は注意をした方がいいでしょう。
依頼する探偵を選ぶ際は、依頼しようとしている探偵が信頼できる探偵かどうかが重要な点になります。
まとめ
探偵は、刑事事件以外のほぼ全ての調査を行う仕事です。浮気や不倫の調査やお金のトラブルなど、調査を行いたい、調べたいと思っても警察などの公的機関が動いてくれない場合もあります。
そのような時に頼ることができるのが探偵です。
何かを調べたり探したりしたいといった時に、警察に頼んでも動いてくれない、自分一人だけでどう動いたらいいかわからないという場合には、探偵事務所に相談するのも一つの手段です。
探偵事務所によっては、電話やメールでの無料相談を受け付けている場合もありますので、気軽に相談してみましょう。